『気狂いピエロ』
ゴダールのDVDが安かったので
買ってしまった。
(不買い運動中始動は来年から(笑))
1,000円くらい。

昔、テレビでやっていたものを
録画しているのはとっくに切れて。

ゴダールのこれを観たのは学生のころ。
ご多分にもれず、私もヌーヴェル・ヴァーグは
観ていたのだ。
だからかれこれ20数年ぶりとなる。
『中国女』やなんとかの舗道や『はなればなれに』(でしたか)
が好きなのですが
それらはなかった。

これを観たときに、かわいい白いワンピース
(アンナ・カリーナが着ている)がほしくて
自分で似たようなのをミシンで一生懸命作ったり。
フェネックがかわいくて、飼いたいなと思っても
無理だったから動物園にいったり。

10代としては色彩がきれいで
思えば私の嫌いなミュージカルの要素が
ゴダールは入っているのに
抵抗がない。たぶん、歌が下手で
ただの言葉の延長だからかも。

それに愛だの恋だのの
話が苦手ですが、それすら感じさせない
ストーリーを見るからかな。

オカルト好きな反面結構トリフォーや
「午後5時」うんぬんという
のとか観ていたなあと。
一方でヴィスコンティやら
とにかく若者が見そうなのは観ました。
『ドグラ・マグラ』は運がよかったのか
初めて上映されるとき見ることができましたし。

色彩がはっきりしていて好きだったんだなと
ずいぶんと久しぶりに見ても
色褪せてない感覚。

それと当時は字幕をみるのが好きではなく
そのまま言語を耳できいていたので
簡単なフレーズは覚えるようになるし
映画って勉強になるのかも。
ファッションも洗練されているのが好きですし。

いまでこそいろいろなお洋服がありますけれどね。
女の子にとっては、魅力的な素材は
男性監督なのにありますよね。

なにより、音楽。
この映画で一人で歌っているおじさんが好き。


ゴダールは言葉をよく使う。
引用も多い。
日本の昔の映画は沈黙や行間がある。
どちらも観るものによって得るものは違うけれど。

私たちは虫の音も音楽にすらなるけれど
特に西洋人には雑音にしかならない。
そんな違いを、若いころに
いろいろなところから
感覚的に知ることは楽しい。

でもマイナーなロシア映画の
あの深い森の澄んだ空気でありながら
圧倒的な空気はなかなかあれ以来
映画という中では見たことがない。